丸山忠久九段、藤井聡太名人の連覇阻む 銀河戦で初優勝
将棋の第31期銀河戦（囲碁・将棋チャンネル主催）の決勝が12月23日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で先行配信され、丸山忠久九段（53）が前回優勝の藤井聡太名人（21）に99手で勝ち、初優勝を果たした。藤井名人は2022年度はタイトル戦を除く四つの一般棋戦を全て制する史上初の「グランドスラム」を成し遂げたが、銀河戦では丸山九段に連覇を阻まれた1。
丸山九段の銀河戦初優勝
丸山九段は銀河戦において、本戦トーナメントから出場し、準々決勝で阪口悟六段、準決勝で矢倉規広七段を破り、決勝トーナメントに進出した。決勝トーナメントでは、一回戦で渡辺明九段、二回戦で永瀬拓矢九段、準決勝で森内俊之九段といずれもタイトルホルダーを相手に勝利し、決勝に駒を進めた2。
決勝では、藤井名人と対戦した。藤井名人は銀河戦において、前期優勝者としてスーパーシードで本戦トーナメント十一回戦からの登場となり、羽生善治九段、千田翔太七段、斎藤明日斗五段、杉本和陽五段といずれも強豪を撃破し、決勝に進んだ2。
決勝の対局は、丸山九段が先手番で、角換わりの戦型となった。序盤から中盤にかけては互角の展開だったが、後手番の藤井名人が中盤で一手のミスを犯し、丸山九段が優勢に立った。その後、丸山九段は藤井名人の反撃を冷静に受け止め、終盤で決定的な攻めを見せて、99手で勝利した1。
丸山九段は銀河戦で初優勝を果たし、自身の持つタイトルの数を3期に増やした。また、銀河戦の優勝者には、翌年度の竜王戦一組へのシード権が与えられるため、丸山九段は竜王戦一組に復帰することになった2。
丸山九段の通算1000勝達成
丸山九段は銀河戦での優勝とともに、もう一つの快挙を成し遂げた。それは、プロ入り後の通算勝利数が1000勝に達したことである。丸山九段は、銀河戦決勝トーナメント二回戦で永瀬九段に勝った時点で、通算999勝となっていた。そして、決勝で藤井名人に勝ったことで、通算1000勝を達成したのである3。
通算1000勝は、将棋界において非常に稀な記録である。これまでに達成したのは、羽生善治九段、加藤一二三九段、中原誠九段、森内俊之九段、佐藤康光九段、谷川浩司九段の6人だけである。丸山九段は、この記録を達成した7人目の棋士となった3。
丸山九段は、1990年に四段でプロ入りし、1998年には全日本プロトーナメントで優勝するなど、早くから実力を発揮した。2000年には、名人戦で羽生善治九段に挑戦し、2期連続でタイトルを奪取した。また、2002年には棋王戦でもタイトルを獲得し、二冠を達成した。その後も、NHK杯戦や早指し選手権戦などで優勝するなど、長くトップ棋士として活躍してきた4。
丸山九段は、銀河戦での初優勝と通算1000勝の達成により、将棋界における偉大な功績を残した。今後も、丸山九段の活躍に注目したい。
