「ドリーム燃料」：夢のような未来の燃料技術
水と空気から石油を作り出す夢のような技術が日本で誕生しました。
この技術は、私たちの地球に直面している大きな課題である化石燃料の枯渇と
地球温暖化への解決策として非常に注目されています。
その名も「ドリーム燃料」。
この画期的な燃料は、炭酸ガスと水を使用して、石油（n-アルカン）を
合成する人工石油です。
その開発者は、京都大学の今中忠行名誉教授です。
今中氏は特殊な光触媒を駆使し、水をラジカル水に変え、
その後に炭酸ガスと種油を組み合わせることで、石油の化学合成に成功しました。
この合成石油は非常に多様で、
軽油や重油などさまざまな種類に調整できるのが特徴です。
そして、この「夢の燃料」は燃焼後に有害物質の排出を最小限に抑えます。
さらに、生成コストは非常に低く、1リットルあたり10円から14円と言われています。
これは、現行のガソリンや軽油の価格の約1/10に相当する価格設定です。
今中氏はこの技術を「永久機関的」と形容しています。
なぜなら、種油は一度の反応でしか使用されず、二度目以降は人工石油自体が
新たな種油として再利用できるからです。
そのため、一度種油を導入すれば、その後は水と炭酸ガスだけで石油が生成し続けるのです。
このプロセスには電力が必要で、その電力は再生可能エネルギー源である太陽光や風力など
から供給することができます。
ドリーム燃料は2023年1月に大阪市で実証実験が行われ、発電機を動かすことに成功しました。
驚異的なことに、この実験の発電コストは1kW時当たり3円でした。
これは非常に経済的な数字で、新たな可能性を切り開くものと言えるでしょう。
将来的には、ドリーム燃料を使用して、次世代のエネルギー源である水素やアンモニアなどを
生産する可能性も考えられています。
ドリーム燃料は石油への依存を減少させ、持続可能なエネルギー源への移行に向けた
重要なステップとして期待されています。
この画期的な技術の普及により、私たちは地球環境に対する負荷を軽減し、
持続可能な未来への道を切り開くことができるでしょう。
ドリーム燃料はまさに人類の夢を実現するための鍵と言えるでしょう。
その未来は、今やっと始まったばかりです。
