乳業大手の明治(本社・東京)は13日、関西工場(大阪府貝塚市)で製造し、東海・北陸・近畿の2府11県へ出荷した「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン 400g」のうち、賞味期限が今月16~18日の計11万7618個を自主回収すると発表した1。対象商品の側面には、賞味期限と同工場製を示す「23.11.16/+KN」の記載がある。
自主回収の理由は、牛の感染症予防などに使用される医薬品成分「スルファモノメトキシン」が微量に混入している可能性があるためだ。この成分は、食品衛生法で含まれてはならない抗菌性物質の一種である。明治によると、この成分が混入した原因は、同工場で製造した宅配専用の牛乳に使用された原料乳に由来すると考えられるという。同社は、原料乳の供給元である農家に対して、牛の治療履歴や飼料管理などの調査を行っている。
明治は、当該対象商品を食しても、健康を害することはないとしているが、念のために自主回収を実施するとともに、消費者からの問い合わせに対応するとしている。同社のホームページ2によると、問い合わせ先は「明治お客さま相談室」(フリーダイヤル:0120-041-045)で、受付時間は9時から17時(土日祝日を除く)となっている。
明治は、食品のリーディングカンパニーとして、品質管理に万全を期していると強調しているが、今回の自主回収は、同社にとって大きな信頼失墜となる可能性がある。2013年には、飲むヨーグルトの一部に生産機械のゴムパッキンが混入したとして、約100万本を自主回収したことがある3。同社は、今後、原因究明と再発防止に努めるとともに、消費者の信頼回復に努める必要があるだろう。