琵琶湖の水位低下が深刻化、環境や生活に与える影響とは？
琵琶湖、滋賀県を代表する水源として重要な存在ですが、最近その水位が深刻な低下を示しています。2023年11月27日の時点で、琵琶湖の水位はなんと最大でマイナス66センチにまで低下しています。これは、2019年に記録されたマイナス69センチ以来の低水準となっています。この水位低下は、降水量の減少が原因で、9月は平年の半分以下、10月も平年の7割程度にとどまりました。
琵琶湖の水位低下には、環境や生態系への様々な影響が見られます。例えば、湖底に沈んでいた坂本城の石垣が水面に姿を現しています。坂本城は歴史的な水城であり、湖が渇水するとその存在が浮き彫りになります。しかし、一方で水位低下により湖底の土砂が流出しやすくなり、水質悪化や浅水化が懸念されています。
琵琶湖の水は滋賀県だけでなく、近隣の都市にも供給されており、水位低下が進むと取水制限や水道料金の値上げなどが生活に影響を及ぼす可能性があります。滋賀県は、水位低下に備えて情報収集や連絡調整を行う「滋賀県水位低下連絡調整会議」を設置し、更なる低下が見込まれる場合には対策本部を立ち上げる予定です。
琵琶湖の水位低下は、近畿地方全体の雨不足が背景にあります。台風の発生が例年よりも少なく、秋の降水量が不足しているため、渇水状況は西日本全体で深刻です。今後、水位の回復にはまとまった雨が必要ですが、現時点ではその見込みは乏しい状況です。
琵琶湖は日本最大の湖であり、多くの生態系や生活にとって欠かせない水源です。水位低下が続くことで、環境や生活に与える影響は計り知れません。私たちは水の大切さを再認識し、節水や水資源の保全に積極的に取り組む必要があります。
