アップルが「Vision Pro」ヘッドセット生産加速、来年2月発売目指す
米アップルは複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」の生産を加速し、来年2月までの発売に向けて準備を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
情報の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によれば、同ヘッドセットの生産は数週間前から現在も中国の施設でフルスピードで進められている。目標は来年1月末までに顧客向け製品を準備することで、小売りでの発売はその翌月になる予定だという。同社は20日にソフトウエア開発者に電子メールを送り、最新のツールでアプリをテストし、アップルにソフトを送ってフィードバックを得ることで、Vision Proへの「準備を整える」よう促している。これもまた、発売が近づいていることを示唆している。
Vision Proはアップルにとってこれまでで最も複雑な製品発売となり、全く新たな販売戦略と設備が必要となる。同ヘッドセットにはカスタマイズされた部品があり、販売時点で組み立てて箱詰めする必要がある。また、それは繊細な作業でもある。Vision Proはユーザーの頭部に正しくフィットしていないと、コンテンツを正しく表示できない上に、余計に重く感じられる可能性がある。
Vision Proは、アップルが2015年にスマートウオッチの販売を開始して以来初の新たな製品カテゴリーとなる。同社には複合現実というまだ斬新なコンセプトを消費者に売り込むというプレッシャーも加わっている。メタ・プラットフォームズは現在この市場をリードしているが、同社のヘッドセットは主流への受け入れの点では苦戦を強いられている。