2024年、日銀の超緩和政策終了と円の展望
2024年において、日本銀行(日銀)が超緩和政策を終了する可能性が高まっています。この見通しは、主要国の金利が引き下げられるとの見方とは対照的です。この状況は、資産運用会社が円に対して強気になっていることを示唆しています。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファンドは依然として円に対してショートポジションを持っていますが、その規模は減少傾向にあります。これは、円の上昇圧力が高まっていることを反映しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、来年に利下げに転じることを示唆していますが、日本では逆にインフレが上昇していることから、マイナス金利政策を終了させる方向に動いています。この結果、円は今月、対ドルで7月末以来の高値を更新しました。欧州中央銀行(ECB)と英中央銀行(BOE)も、来年に利下げを行うと予想されています。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、「日銀は12月の金融政策決定会合で政策変更をしなかったが、来年1月会合がライブになるとの思惑が残り警戒感は解けないため、資産運用会社の円ロングポジションは続きやすい」と話しています。「日米双方の金融政策で、米国は利下げ、日本はマイナス金利解除への思惑が高まっていたことが、このポジションデータに表れているのだろう」とも述べています。
通貨オプション市場では、ドル・円のリスクリバーサルが円高をヘッジしているトレーダーの存在を示しています。1カ月物のリスクリバーサルは、次回の日銀会合の日も含んでいます。このことは、日銀が政策変更を行う可能性があることを意味しています。
日銀が超緩和政策を終了すると、円はさらに上昇する可能性があります。しかし、その一方で、日本経済にとっては、円高は輸出や企業収益に悪影響を及ぼす可能性があります。日銀は、金融政策の正常化と経済の安定の間で、微妙なバランスをとる必要があるでしょう。