米国の商業用不動産市場が危機に陥っています。その証拠に、CMBSという商品を扱うREITの一つが、破産手続きを申請しました。
CMBSとは、商業用不動産のローンを証券化したもので、不動産投資家や金融機関に売られています。しかし、新型コロナウイルスの影響で、商業用不動産の需要が減少し、ローンの返済が滞り始めました。その結果、CMBSの価値が暴落し、REITの収益も激減しました。
その中でも、特に苦境に陥ったのが、JERインベスターズ・トラストというREITです。このREITは、29日に連邦破産法11条の適用を申請しました。これは、会社の再建を目指す手続きですが、負債が資産の倍以上に達していることから、かなり厳しい状況にあると言えます。
JERインベスターズの主要株主の一つは、C-IIIキャピタル・パートナーズというPE投資会社です。この会社は、JERインベスターズの株式の8.4%を持っていますが、破産手続きによって、その株式の価値も大きく下がる可能性があります。
このように、米国の商業用不動産市場は、深刻な危機に直面しています。今後の動向に注目が集まります。