**JAL機接触事故、識者が指摘 – 旅客機乗員の90秒以内の脱出訓練が功を奏す**
羽田空港で発生した日本航空機と海上保安庁機の接触事故について、元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは、「日航機と海保機のいずれかが管制官の指示を聞き間違えたのではないか」と指摘しました。
小林さんによれば、日航機が着陸した際に、誤って海保機が滑走路に入ってしまったか、または海保機がいる滑走路に、誤って日航機が入ってしまった可能性が考えられます。管制官の指示のミスの可能性もあるとし、日航機が何らかの理由で滑走路を逸脱し、誘導路で待機していた海保機に接触した可能性も指摘されています。
過去の大西洋での航空機同士の衝突事故を挙げ、「国内で航空機同士が同様に衝突した大きな事故は記憶にない」と述べ、今回の事故が異例の出来事である可能性を示唆しました。
羽田空港は事故当時、視界が良好であったとみられます。小林さんは、「夜で両機とも互いの機影が見えなかったのかもしれないが、パイロットが危険を感じていれば、着陸をやり直す『ゴーアラウンド』をするはずで、直前まで危険を感じていなかった可能性がある」と述べています。
さらに、旅客機の乗員が年1回、機体の片側から乗客全員を90秒以内に脱出させる訓練を受けていることを強調し、「今回、ほぼ満席の日航機で乗客・乗員に犠牲者が出なかったことは、機長や乗務員、乗客が落ち着いて行動できた結果だ」と述べています。