先週、ビットコインネットワークが15周年を迎えた直後、ある暗号資産ユーザーがビットコインの創始者であるサトシ・ナカモト氏のジェネシス・ウォレットに120万ドル相当のビットコインを送金したという謎めいたトランザクションが行われました。
この送金に対して、暗号資産ユーザーたちは驚きとともに、ビットコイン現物ETFのマーケティング戦略や税制上の理由からサトシ・ナカモト氏の身元を明らかにしようとする圧力ではないかとの憶測が広がっています。
アーカム・インテリジェンスのブロックチェーンデータによれば、身元不明のウォレットがバイナンスから引き出した直後に、サトシ・ナカモト氏の最初のビットコインアドレスに約27BTC（117万ドル相当）を送金したと報告されています。このアドレスはビットコインネットワークの最初の「ジェネシス」ブロックを作成した際に使われたもので、今回のトランザクション後には450万ドル相当の100BTC近くが保管されているとのことです。
この送金がビットコインネットワーク立ち上げ15周年を迎えた日に行われたことから、ユーザーたちはその意図に疑問符を付けています。一部の専門家は、通常はビットコインネットワーク立ち上げを記念して少額の送金が行われることがあるが、今回の金額が異例に高いため、何か特別な理由があるのではないかと考えています。
コインベースのディレクターであるコナー・グローガン氏は、「サトシが目覚めてバイナンスから27BTCを購入してウォレットに入金したか、あるいは誰かが100万ドルをただバーンしただけかのどちらかだ」と推測しました。また、アメリカのビットコイン現物ETF発行会社に関連したマーケティング戦略の可能性も指摘されています。ビットコイン現物ETFの承認が注目され、トランザクションがその一環とされる見方もあります。
法律事務所ホーガン&ホーガンのパートナー、ジェレミー・ホーガン氏は、この送金がアメリカの新しい税制を利用してサトシ・ナカモト氏の身元を明らかにしようとする試みである可能性があるとの見解を示しました。アメリカの納税者は今年から、1万ドルを超えるすべての暗号資産取引をIRSに報告する必要があります。
この謎の送金には未だ明確な説明がなく、サトシ・ナカモト氏のビットコイン保有総額は約110万BTCで、市場価値は約500億ドルに相当すると推定されています。ビットコインコミュニティーは今後の展開に注目し、サトシ・ナカモト氏の身元に関する謎めいた憶測は続いているようです。
