アメリカのドナルド・トランプ次期大統領がグリーンランドの所有を望んでいると発言したことを受け、これに対してグリーンランド自治政府が強く反発している。と表明し、「グリーンランドは売り物ではない」と再び表明した。
トランプ氏は22日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「世界の国家安全保障と自由のために、アメリカにはグリーンランドの所有と管理が絶対に必要だと感じている」と投稿。大統領在任中にも、世界最大の島であるグリーンランドを購入したいとの計画を示した経緯がある。
これに対して、グリーンランド自治政府のムテ・エーエデ自治政府首相は、「グリーンランドは我々のものだ。我々の自由への闘いを放棄することはない」とコメント。また、「我々は長い間続けてきた自由への闘いで負けてはならない。しかし、我々は世界中、特に近隣諸国との協力と貿易には引き続きオープンでなければならない」と述べた。
グリーンランドはデンマークの自治領であり、アメリカにとって戦略的に重要な位置にある。島内にはアメリカの宇宙軍基地が存在し、大西洋を挟む欧州との最短ルート位置にもある。
デンマーク政府はトランプ氏の発言に対して公式な反応を示していないが、スウェーデン元大使のケン・ハウリー氏を新たなデンマーク大使に指名する意向を発表。トランプ氏が同時に発表したことで、注目が集まっている。ハウリー氏は「この指名に深く謙虚な気持ちであり、コペンハーゲンのアメリカ大使館とグリーンランドのアメリカ領事館のスタッフと協力して、両国の絆を深めることを楽しみにしている」とコメントしている。
トランプ氏がグリーンランドの購入を提案したのは今回が初めてではない。歴史を遡ると、アメリカのグリーンランド購入案は1860年代にアンドリュー・ジョンソン大統領によって最初に提案されている。
さらにトランプ氏は、現在パナマが管理しているパナマ運河をアメリカの管理下に戻すべきだとも主張。ホセ・ラウル・ムリノ大統領は、パナマ運河とその周辺地域はすべて、自国のものだと反発した。
また、トランプ氏は大統領就任にカナダに新たな関税を課すとしており、その影響でカナダ経済が疲労した場合、「アメリカの51番目の州になるべきだ」という発言も繰り返して波紋を広げている。
