15000社の神社を巡り、集めた御朱印は4400以上。神職の方々や地域の方々に直接話を聞いて知見を深め、いまでは神職向けの講演会にも呼ばれる佐々木優太さん。
2025年のはじまりをパワー最強の状態で迎えるためにも、ぜひとも参拝したい「最強神社」を、東日本編と西日本編に分けて3社ずつ教えてもらいました。
目に映らない「龍」から、目に映る「蛇」へ
2025年は「巳年」で、2024年は「辰年」でした。「巳年=蛇」「辰年=龍」と考えると、この2つはなんとなく形が似ていますよね。
龍は伝説上の生き物。実際には姿かたちを見ることはできず、我々が目にしているのは、あくまでも想像上の姿です。しかし、「龍神」とも呼ばれるように、古くから神として崇められてきました。
一方で、蛇は実在する動物です。蛇は何度も脱皮することから、「成長」「発展」のイメージをもつ縁起のいい動物。古くから神話にも登場し、弁財天や宇賀神の神使(しんし=神様に代わって人々に働きかける動物)でもあります。
ここからは僕の考えですが、龍は「目に映らない水」であり、蛇は「目に映る水」のことではないかと、1万5000社以上の神社を巡って気づきました。
ふだん見えないけれど、地下を流れている地下水脈は、地中をうごめく龍に見立てられ、神とされている。それが地上に出てきて、我々の飲み水になったとき、水は蛇に見立てられ、崇められている。その証拠に、みなさんのご家庭の水道はどこから出てきますか?
「蛇口」ですよね。
つまり2024年の「辰年」は、水面下で物事が動いている年で、見えないところでの努力が大切な年でした。「目に映らない」努力の結果が、いよいよ「目に映る」かたちとなって表に出てくるのが、2025年の「巳年」かもしれません。
「巳年」のパワーが得られる最強神社
2025年の「巳年」にちなんで、「蛇」のパワーを感じられる神社をいくつかご紹介しましょう。巳年のうちに参拝に上がることができれば、それだけでも運がいいと言えるでしょう。
虻田神社(北海道虻田郡洞爺湖町)
虻田の地の開田・漁場の開始を神に感謝し、繫栄を祈念して創建された稲荷神社。
冬、気候の条件が揃ったときに、朱色の鳥居の柱に曲がりくねった雪の紋様ができ、「雪でできた蛇」が現れる、とされています。
これは「雪紐(ゆきひも)」と呼ばれる自然現象で、鳥居の柱に吹き付けられた雪が、時間とともに垂れ下がり、くねくねと曲がった白蛇のようになるもの。
特別な条件下でしか見られない現象だけに、遭遇したら、神様からの絶大なるご加護を約束された証(あかし)かも⁉
金蛇水神社(宮城県岩沼市)
その昔、山から平野へと水が流れ出る地に水神様を祀ったのがはじまり。そこへ蛇の形をした金属が納められ、現在の社名へ。
巳年の2025年に注目したいのは、境内の授与所で頒布されているクレジットカード型の「金属カード守」。巳年になると限定のブラックカードが登場します。通常、お守りは1年で返納するため、有効期限が翌年と書かれていますが、巳年限定のブラックカードのお守りの有効期限は、次の巳年! つまり12年間、持っていていいのです。
12年に1度しか頒布されない貴重なお守りを、ぜひこの機会に受けてみてください。
そして隣接する土産処にも、斬新な白蛇の縁起物が並び、参拝者の運気アップへの気持ちを後押ししてくれます。カフェで工夫を凝らしたメニューを味わいながらのひと休みも。
蛇窪神社(東京都品川区)
蛇が多く住んでいた「蛇窪村」という地名に由来。この地に宿る龍神様に雨乞いの願いをかけたところ、雨が降り、多くの人が飢饉から救われたことに感謝して神社を建立。
龍神様を祀った蛇窪龍神社のほか、社殿脇の泉に住んでいた白蛇様を祀った白蛇弁財天社、稲荷神社など、たくさんの御神徳が受けられます。
蛇窪弁財天様の銭回し・銭洗いでは、「白蛇種銭」を石うすに載せ思いを込めて3周回し、その「白蛇種銭」と自身の種銭を一緒にざるに入れて洗い清めます。どちらも持ち帰り、大切に保管します。次の参拝で「白蛇種銭」を持参し納めると、次の人に感謝をつなぐことができます。つなげばつなぐほどお役目を果たしたことになるので、ぜひお礼参りに上がりましょう。
以上、巳年に神様のお力が高まっている東日本の神社、3選をお届けしました。
神社とは、一方的にご利益をもらいに行くところではなく、むしろこちらから神様をふるわせに上がるところです。我々が参拝することで神様は力を強め、御神威をふるわすことにつながっていきます。
神様をふるわせ、我々の気持ちも奮い立たせていきましょう。