11月14日は「世界糖尿病デー」 押さえておきたいフットケア7つのポイント
糖尿病は、血液中の糖分(グルコース)が高い状態が続くことで、さまざまな合併症を引き起こす病気です。その中でも、足のトラブルは特に注意が必要です。糖尿病の方は、足の血管が狭くなったり、神経の感覚が鈍くなったりすることで、傷や感染、潰瘍(かいよう)、壊疽(えそ)などの病変を起こしやすくなります。重症化すると、足の切断や命に関わることもあります1。
そこで、糖尿病の方にとって大切なのが、フットケアです。フットケアとは、足のお手入れや予防のことを指します。毎日のフットケアを行うことで、足の病変を早期に発見したり、予防したりすることができます。また、血糖値を良好にコントロールすることも、足の健康には欠かせません。
11月14日は「世界糖尿病デー」です。この日は、糖尿病の予防や治療、啓発に関する活動が世界各地で行われます2。この機会に、フットケアの方法を見直してみましょう。ここでは、自宅でできるフットケアの7つのポイントを紹介します。
1. 足を毎日観察しましょう
足の病変の予防には、「早期発見、早期治療」が大変重要です。そのためには、毎日足の隅々まで見て触って、よく観察することが必要です。見えないところは鏡を使ったり、家族に協力してもらったりしましょう。長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察しましょう。
足の観察では、以下のことに注意してください3。
- 足の色や温度が変わっていないか
- 足に傷や水ぶくれ、潰瘍、壊疽がないか
- 足に赤みや腫れ、熱感、痛みがないか
- 足に水虫や爪の変形、巻き爪、深爪がないか
- 足にタコやウオノメ、ひび割れがないか
- 足の形や指の位置に変化がないか
もし、足の異常に気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。自己判断や自己処置は危険です。
2. 足の清潔を保ちましょう
感染を防ぐためには、足の清潔を保つことが重要です。足は毎日洗いましょう。石鹸をよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗いましょう。指の間も忘れずに洗いましょう。洗った後は水気をよく拭きとりましょう。皮膚を傷つけないよう、こすらずに押さえるようにして拭き取りましょう4。
皮膚が乾燥している場合は、保湿クリームを塗って保湿しましょう。ただし、指の間には保湿クリームはさけましょう。湿って水虫の原因になることがあります。
3. 爪は切り過ぎないようにしましょう
爪は切り過ぎないようにしましょう。深爪に注意しましょう。爪の角は、深く切り落とさないようにしましょう。巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切りましょう。爪を切るときは、清潔な爪切りを使いましょう。爪切りは定期的に消毒しましょう5。
爪の切り方が分からない場合や、自分で切れない場合は、医療の専門家に相談しましょう。
4. 靴下や靴は適切なものを選ぶ
靴下は綿やウールなどの天然素材のものを選び、毎日替えましょう。靴下には縫い目やしわがないことを確認し、足にぴったり合うものを選びます。靴は足に合ったサイズのものを選び、中に異物が入っていないか確認します。靴は履きなれたものを選び、新しい靴は少しずつ履き慣らします。
5. 足に負担をかけない
足に傷がある場合は、医師や看護師の指示に従って処置を行います。足に水ぶくれや切り傷がある場合は、絆創膏を貼ります。足に感染がある場合は、抗生物質などの薬を服用します。足に圧迫感や痛みがある場合は、靴や靴下を脱いで足を休めます。足に熱や冷たさを感じない場合は、温度に注意して足を保護します。
6. 足の血行を良くする
足を高くして寝ることや、足をマッサージすることで血行を促進できます。足首やつま先を動かすことも有効です。運動は血糖値を下げるだけでなく、血行を良くする効果もあります。医師や看護師と相談して、適切な運動を行いましょう。
7. 定期的に足の検査を受ける
足の感覚や血流、爪や皮膚の状態などをチェックするために、定期的に医師や看護師に足の検査を受けましょう。足の検査は、糖尿病の診断後にすぐに受け、その後は年に1回以上受けることが推奨されています。
以上が、糖尿病のフットケアについて押さえておきたい7つのポイントです。足のケアは、糖尿病の合併症を予防するために重要なことです。日頃から足に気を配り、健康な足を保ちましょう。
上記のポイントを守り、健やかな足を保つために、是非実践してみてください。