しし座流星群2023年の観測ガイド
秋の夜空を彩る流星群のひとつ、しし座流星群。過去には流星雨や流星嵐と呼ばれるほどの大出現があったことでも知られています。2023年のしし座流星群は、いつ見れるのでしょうか？方角やピーク時間、大火球のチャンスも含めて解説します。
しし座流星群2023年のピークはいつ？
しし座流星群は、11月6日から11月30日までの期間に活動する流星群です。その中で、最も多くの流星が見られるピーク（極大）は、2023年11月18日の14時頃と予想されています1。
しかし、残念ながらこの時間は日本では日中なので、観測することはできません。そのため、ピークの前後の夜から明け方にかけてが、観測のチャンスとなります。
しし座流星群2023年の方角は？
しし座流星群の名前の由来は、流星がしし座の方向から飛んでくるように見えることです。しし座は、東の空に昇ってきたり、南の空に高く上ったり、西の空に沈んでいったりする星座です。2023年11月18日の夜には、午後11時頃に東北東の空に昇ってきます2。
しし座流星群の流星は、しし座の方向から放射状に広がって見えます。そのため、しし座の上方を見上げると、流星がより多く見えるでしょう。ただし、しし座の近くには月があるので、月明かりによって流星が見えにくくなる可能性もあります。その場合は、月に背を向けて、暗い方の空を眺めると良いでしょう。
しし座流星群2023年の見え方は？
しし座流星群の特徴は、速度が速く、明るい流星が多いことです。流星の速度は、秒速71キロメートルという驚異的な速さです2。そのため、流星は一瞬で空を横切ってしまうので、見逃さないように注意が必要です。また、明るい流星は、流星痕と呼ばれる光の跡を残すことがあります。流星痕は、流星が空気と摩擦して発光した際に、空気中のイオンが残る現象です。流星痕は、流星が消えた後もしばらく空に残って見えることがあります。
しし座流星群は、普段は1時間に10個から30個程度の流星が見られる中規模の流星群ですが、年によっては流星雨や流星嵐と呼ばれるほどの大出現が起こることがあります。これは、母彗星であるテンペル・タットル彗星が太陽に近づくときに、彗星が放出した塵が地球に衝突することで起こります。テンペル・タットル彗星は、約33年周期で太陽に回帰します。最近では、2001年に流星雨が観測されました2。
2023年のしし座流星群は、流星雨や流星嵐の出現は予想されていませんが、大火球のチャンスもあります。大火球とは、非常に明るく発光する流星のことで、マイナス等級と呼ばれるほどの明るさになることがあります。マイナス等級とは、星の明るさを表す等級がマイナスになるほど明るいということで、例えば、金星は約-4等級、満月は約-13等級です。しし座流星群は、マイナス等級の流星が出やすい流星群として知られています3。
しし座流星群2023年の観察方法は？
しし座流星群を観察するには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 明かりの少ない場所を選ぶ。街灯や建物の明かりなどが邪魔にならないように、できるだけ暗い場所で観察しましょう。空が広く見渡せる開けた場所がベストです。
- 目を暗闇に慣らす。暗い場所に移動したら、目を暗闇に慣らすために15分ほど待ちましょう。目が暗闇に慣れると、より多くの流星が見えるようになります。
- 空全体を見る。しし座流星群の流星は、しし座の方向から放射状に広がって見えます。そのため、しし座の上方を見上げると良いですが、空全体に目を向けると、思わぬ方向から流星が見えるかもしれません。
- 防寒対策をする。11月の夜は寒くなるので、防寒着やブランケットなどを用意しましょう。また、長時間座っていると体が冷えるので、適度に動いたり、温かい飲み物を飲んだりすると良いでしょう。
- 願い事をする。流れ星を見つけたら、見えている間に願い事をすると叶うと言われています。しし座流星群の流星は速いので、願い事も素早く唱えましょう。ロマンチックな気分になれるかもしれませんね。
まとめ
しし座流星群は、11月に活動する流星群で、過去に流星雨が出現したことで有名です。2023年の極大日は11月18日の午後2時頃ですが、日中となってしまうため、観測にはあまり良い条件とは言えません。放射点が高くなる19日深夜から未明、または、前後1日が観測のチャンスとなります。明るく速度が速い流星や大火球が見られるかもしれません。空全体を眺めることがポイントです。秋の夜空に流れる流星群を楽しみましょう。
