最近、犯罪者や迷惑行為者を自らの手で逮捕しようとする「私人逮捕系YouTuber」と呼ばれる人たちが問題になっています。彼らは、盗撮や痴漢、転売やマルチなどの犯罪や不正を見つけて声をかけ、動画に撮影してSNSに投稿するという手法をとっています。一見、正義感に満ちた行動のように見えますが、実際には誤認逮捕や暴力行為、名誉毀損などの違法行為を繰り返しているというのが現実です。
2023年11月13日には、帝国劇場付近でチケットの転売をしていると決めつけて無関係の女性を無断で撮影し、動画を公開した「煉獄コロアキ」というYouTuberが名誉毀損容疑で逮捕されました1。この事件をきっかけに、私人逮捕系YouTuberの危険性が広く注目されるようになりましたが、驚くべきことに、彼らに対して女性からの支持が集まっているという事実があります。
私人逮捕系YouTuberの動画のコメント欄やSNSを見ると、彼らの行動を称賛したり、感謝したり、恋愛感情を示したりする女性の声が多く見られます。例えば、以下のようなコメントがあります。
「痴漢や盗撮を逮捕してくれてありがとう。あなたのような人がいてくれると安心します」
「私も痴漢にあったことがあるから、あなたの勇気に感動しました。あなたは私のヒーローです」
「あなたの正義感に惚れました。あなたみたいな男性と付き合いたいです」
これらのコメントを見ると、私人逮捕系YouTuberに対して、女性は犯罪や不正に対する恐怖や不安を抱えており、彼らの行動に安心感や救われ感を覚えているということが分かります。また、彼らの行動には、女性にとって魅力的な要素が含まれているということも言えます。それは、以下のようなものです。
自分の信念を貫く姿勢
犯罪者や不正者に対する強い態度
女性を守るという意識
危険を顧みない勇敢さ
カメラに映るイケメンな容姿
これらの要素は、女性が男性に求める理想像に近いものであると言えます。しかし、これらの要素は、私人逮捕系YouTuberの表面的なものに過ぎず、実際には彼らの行動には多くの問題があります。それは、以下のようなものです。
犯罪や不正の証拠や根拠が不十分であるにもかかわらず、勝手に逮捕しようとすること
逮捕時に暴力や暴言を振るうこと
逮捕した人物のプライバシーを侵害すること
逮捕した人物の人権や尊厳を無視すること
逮捕した人物の名誉や信用を毀損すること
逮捕した人物に対する法的な責任や後始末を放棄すること
逮捕した人物に対する謝罪や賠償を拒否すること
逮捕した人物に対する恨みや復讐を招くこと
逮捕した人物に対する同情や共感を失うこと
逮捕した人物に対する教育や啓発の効果を損なうこと
これらの問題は、私人逮捕系YouTuberの行動が、犯罪や不正の撲滅や予防につながるという目的とは大きく乖離していることを示しています。むしろ、彼らの行動は、犯罪や不正を助長し、社会の秩序や安全を乱すことになりかねません。また、彼らの行動は、自分の利益や名声のために行われていることも多く、正義感というよりは、自己満足や自己中心的な感情に基づいていることも考えられます。
したがって、私人逮捕系YouTuberに対して、女性は盲目的に支持や好意を寄せるのではなく、彼らの行動の本質や問題点を冷静に見極める必要があります。彼らの行動に魅力を感じるのは自由ですが、それは表面的なものに過ぎず、実際にはおぞましい現実が隠されているということを忘れてはなりません。私人逮捕系YouTuberは、正義の味方ではなく、危険な存在であるということを認識することが大切です。
