自然界の驚異ともいえる出来事が、硫黄島沖合で発生しました。
硫黄島の南約1キロの沖合で、噴火によって新しい島が形成されたのです。
この新たな島は、火山活動によって噴出した岩石が堆積してできたもので、
その大きさは直径約100メートルほど。
この驚くべき出来事は、海上自衛隊硫黄島航空基地隊によって確認されました。
この新しい島が出現した背後には硫黄島の火山活動の再開が関係していると考えられています。
硫黄島は、伊豆小笠原弧南部に位置する活発な火山で、2021年には隣接する福徳岡ノ場で
大規模な海底噴火が発生しています。
硫黄島自体は直径約40キロメートル、比高約2000メートルの海底火山で、実際の島の部分は
その一部でしかありません。
硫黄島周辺では、マグマの上昇と噴火の仕組みが続いており、今回の新しい島の出現も
その一環と考えられています。
硫黄島の噴火の仕組みは、地下にたまったマグマが上昇し、地上近くでマグマだまりを作り、
そのマグマがさらに上昇する際に膨張して爆発するものです。
硫黄島では火山ガスが泡となって膨張し、周囲の岩石に圧力をかけ、最終的に
噴火が発生するのです。
新しい島が形成されたのは噴火口の近くで、噴火地点の北側には主に岩塊からなる
新しい島があります。
火口地形ははっきりとは見られませんが、同心状の構造や浮遊軽石、変色水から、
マグマの噴出が新島と島を構成する岩塊から同時に発生している可能性が高いと
考えられています。
つまり、噴火地点と島の形成に関与する噴出口の少なくとも2つの場所で
噴火が起きている可能性があるのです。
この新しい島が今後、噴火が続けばさらに大きくなる可能性があることは
注目すべき点です。
東京大学地震研究所の大山稜教授によれば、新しい島は噴火によって
堆積物が積み重なり、陸地を形成していく可能性があると語ります。
しかし、その島が永続的に残るかどうかは、噴火の継続性、噴火の規模、
海流や波の影響などに依存するため、今後の状況に注視する必要があります。
硫黄島での火山活動は、地球の内部の驚くべき出来事を示すと同時に、周囲の安全にも
大きな影響を及ぼす可能性があるため、常に注意が必要です。
硫黄島の火山活動の動向を追跡し、火山警報や予報に従って行動することが重要です。