伊藤美誠が涙「苦しかった」 パリ五輪個人代表ピンチ 平野美宇との直接対決でストレート負け 差を広げられ残る選考大会は来年1月の全日本のみ
卓球のパリ五輪代表選考会として行われた全農カップトップ32第1日(12日・千葉船橋アリーナ)で、伊藤美誠(スターツ)が平野美宇(木下グループ)に0-4で敗れ、涙を流した。伊藤はパリ五輪個人代表の座をかけた選考レースで、平野にポイント差を広げられ、残る選考大会は来年1月の全日本選手権のみとなった。
伊藤と平野は、卓球界の黄金世代と呼ばれる同い年のライバル。今年の選考会では、第5回大会で伊藤が平野をフルゲームの末に破ったが、それ以外はすべて平野が勝利していた。今回の準々決勝では、伊藤は平野の強烈なフォアハンドやサーブに対応できず、一方的に攻められる展開となった。伊藤は第3ゲームで10-6とリードしたが、その後は平野に6連続ポイントを奪われ、逆転負けを喫した。最終的には、伊藤は平野に4-11、10-12、10-12、6-11でストレート負けを喫した。
試合後、伊藤は「平野選手の良さが出た。自分の良さが出せなかった」とコメントした。伊藤は、パリ五輪個人代表の座をかけた選考レースで、平野にポイント差を広げられたことについて、「苦しかった。でも、まだ終わってないので、最後まで頑張りたい」と涙を流しながら語った。伊藤は、残る選考大会は来年1月の全日本選手権のみとなったが、「全日本は大事な大会なので、しっかり準備して臨みたい」と気持ちを切り替えた。
一方、平野は「伊藤選手はいつも強いので、気を抜かずに戦えたのが良かった」と勝利を喜んだ。平野は、パリ五輪個人代表の座をかけた選考レースで、伊藤にポイント差を広げたことについて、「まだ決まったわけではないので、気を引き締めて次の試合に臨みたい」と語った。平野は、準決勝で早田ひな(日本生命)と対戦するが、「早田選手も強いので、自分のプレーをしっかり出せるようにしたい」と意気込んだ。
パリ五輪個人代表の座をかけた選考レースは、早田がトップを独走し、2位以上に与えられるシングルス枠をかけてデッドヒートを繰り広げるのが平野と伊藤だ。大会直前のポイントは2位の平野が312ポイント、3位の伊藤が275・5ポイントで、その差は36・5ポイントだった。今回の大会では、準々決勝で勝った平野が10ポイント、伊藤が5ポイントを獲得したため、その差は41・5ポイントに広がった。伊藤は、来年1月の全日本選手権で平野に逆転するためには、決勝進出以上の成績が必要となる。
パリ五輪個人代表の座をかけた選考レースは、まだ終わっていない。伊藤は、最後のチャンスを掴むために、全日本選手権に向けて練習に励む。平野は、伊藤の追撃を振り切るために、全農カップトップ32で優勝を目指す。卓球界の黄金世代のライバル対決は、まだまだ続く。 #伊藤美誠 #平野美宇