2023年8月27日、オーストラリア北部のメルビル島で、米海兵隊の輸送機オスプレイが訓練中に墜落し、乗組員23人のうち3人が死亡、5人が重傷を負いました1。この事故は、オスプレイの開発段階から実戦配備後までに発生した重大事故の中でも、死者数が最も多いものの一つです2。
オスプレイは、両翼に回転翼とエンジンを有し、ローターの角度を変えることで固定翼機のようにも、ヘリコプターのようにも飛行できることを特徴とする軍用機です。しかし、その複雑な構造ゆえに、様々な欠陥や故障が発生し、事故につながってきました。特に、クラッチの不具合により、プロペラの回転が制御できなくなるという問題は、オスプレイの「構造的欠陥」と指摘されています3。
今回の事故の原因は、まだ正式に発表されていませんが、目撃者の証言によると、墜落直前にオスプレイの翼がひっくり返り、逆さまになったということです4。これは、クラッチの故障により、片方のプロペラが加速し、もう片方が減速した結果、機体が不安定になった可能性が高いと考えられます。実際、2022年6月に米カリフォルニア州で発生したオスプレイの墜落事故では、同様の原因が明らかにされています3。
オスプレイは、米国以外では日本に最も多く配備されており、現在44機が米軍と自衛隊によって運用されています2。しかし、オスプレイの安全性に対する不安は、各地で高まっています。特に、沖縄県では、普天間基地や嘉手納基地などにオスプレイが配備されており、住民の生活に影響を及ぼしています。また、オスプレイの墜落事故が起きれば、住民を巻き込んだ悲劇が発生する恐れもあります。
日本政府は、オスプレイの飛行停止を求めることは考えていないとしていますが1、これだけの事故が続いている以上、配備の是非そのものを問う段階に来ていると言えるでしょう。オスプレイは、本当に必要なのでしょうか。オスプレイの安全性は、どのように確保されるのでしょうか。オスプレイの問題について、私たちは真剣に考える必要があります。