香港の民主活動家、周庭さんがカナダへ出国を発表
香港の民主活動家である周庭(アグネス・チョウ)さん(24)が、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕された経緯を経て、カナダへの出国を公表しました。周庭さんは、今年6月に刑期を終えて釈放されたばかりで、その後の動向が注目を浴びています。
香港を離れる決断をツイッターで発表した周庭さんは、「私はカナダに移住しました。一生、香港には戻らないと思います」とのコメントを残しました。その理由として、香港での政治的圧力や自由の制限に対する耐え難さを挙げており、亡命を求める形となりました。
周庭さんは、若干15歳で社会運動に参加し、14年の反政府デモ「雨傘運動」では広報担当として活躍しました。その後、若者を中心とした民主派の政治団体「香港衆志(デモシスト)」の創設メンバーとして、普通選挙の導入を求める運動を展開。しかし、19年に逃亡犯条例改正案に反対するデモを組織し、20年には国安法違反容疑で逮捕されるなど、激しい抗議行動により逮捕や刑期を経験しています。
周庭さんは、日本のアニメやアイドルが好きで、独学で日本語を習得。ユーチューブやツイッターを通じて、香港の民主運動や活動家の逮捕状況について、流暢な日本語で発信していました。19年には来日し、日本記者クラブで会見を行い、「逃亡犯条例が改正されれば香港は中国になってしまう」と訴えました。
周庭さんの出国は、香港の民主派にとって大きな損失となることは間違いありません。一方で、彼女の決断が香港の自由を支援する新たな可能性を切り拓くことも期待されています。彼女の今後の動向には引き続き注目が集まります。