国立科学博物館のクラウドファンディング最終日を迎え、これまでに8億8000万円以上の
支援金が寄せられたことは、多くの人々が国立科学博物館の活動に期待し、
支持していることを示しています。
この記事では、なぜこのクラウドファンディングが始まったのか、そして資金はどのように
使われるのかについて詳しく紹介します。
国立科学博物館とは
国立科学博物館は、日本最大の総合自然史博物館で、地球や生命の歴史、科学技術の歴史に
関する研究を行うために多くの標本や資料を収集しています。
その収蔵物は全体で500万点以上に及び、その中には世界で唯一のフタバスズキリュウの
全身骨格や、日本で最初に発見された恐竜の化石など貴重なものが含まれています。
国立科学博物館のミッションは、
「調査・研究」「展示・学習支援」「標本・資料の収集・保管・活用」の3つです。
クラウドファンディングの背後にある理由
国立科学博物館は、これらの活動を支えるために資金が必要です。
博物館は独立行政法人として運営されており、国からの補助金や入館料収入に依存しています。
しかし、その予算は年々減少し、新型コロナウイルスの影響で入館者数と収入が減少し、
光熱費や原材料費の上昇が運営費を増加させました。
その結果、国立科学博物館は標本や資料の収集や保管に必要な資金を確保できなくなりました。
この資金難を克服するため、国立科学博物館は2023年8月7日から11月5日まで、目標金額1億円の
クラウドファンディングを始めました。
このプロジェクトは、「地球の宝を守れ」というスローガンのもと、国立科学博物館の使命に
共感し、支援を望む人々に呼びかけました。
クラウドファンディングの成果と反響
国立科学博物館のクラウドファンディングは、多くの人々から驚異的な支援を受けました。
最初の日には目標金額を遥かに超え、最終的には8億8000万円以上が寄せられました。
支援者は、5万人以上の個人や団体で構成され、その中には有名な芸能人、企業、学校、
自治体なども含まれています。
支援者からは国立科学博物館への賛辞や感謝のメッセージが多数寄せられましたが、一部では
国立科学博物館の資金獲得方法に対する疑問や批判もありました。
クラウドファンディングの使途と展望
国立科学博物館は、クラウドファンディングで集まった資金を以下の活動に使う予定です：
– 新たな収蔵庫の建設
– 収蔵庫の環境管理や標本登録作業の人材確保
– 標本や資料の輸送費や梱包費の支援
– 標本や資料のデータベース化や3Dデータ化
– 貴重な標本のレプリカ作成やリスク分散
– 災害時の標本レスキューの準備
また、国立科学博物館は支援者に対して、さまざまな返礼品を提供します。
これには、博物館のオリジナル図鑑やグッズ、収蔵庫の見学や研究者との交流などが含まれます。
これらの返礼品を通じて、国立科学博物館は支援者との関係を深め、継続的なサポーターとして
絆を築いていく予定です。
国立科学博物館のクラウドファンディングは、資金調達だけでなく、博物館の存在意義や価値、
そして日本の博物館行政の課題についての社会的な議論を喚起しました。
国立科学博物館は、集まった資金を賢く活用し、地球の貴重な遺産を守り続ける使命に取り組んで
いくという国立科学博物館の使命を果たすため、多くの支援者からの資金が大いに期待されています。
このクラウドファンディングが、博物館の未来に新たな光を当て、国立科学博物館が
日本の文化遺産を守り、科学の普及と教育に貢献し続ける手助けとなることを願っています。
国立科学博物館は、収蔵物の保管や研究、展示活動を通じて、日本の歴史や科学の発展に
貢献し続けてきました。
今回のクラウドファンディングを通じて、その活動が持続可能な未来に向けて更に
強化されることでしょう。
国立科学博物館とその支援者との共同の努力によって、地球の貴重な遺産が守られ、
未来の世代に引き継がれることを信じています。
