古代アメリカ文明:ナスカの地上絵に迫る
このブログでは古代アメリカ文明に関する話題をお届けしています。今回は、ナスカの地上絵について紹介したいと思います。ナスカの地上絵とは、ペルー南海岸のナスカ台地に描かれた巨大な絵のことです。これらの絵は、紀元前400年頃からアンデス先住民によって制作されました。宇宙人が関係しているという噂もありますが、それは事実ではありません。
ナスカの地上絵は、どのようにして描かれたのでしょうか? 地上絵の種類によって、制作方法が異なります。地上絵は、直線のもの、幾何学的なもの、具象的なものの三つに分類できます。それぞれについて見ていきましょう。
直線の地上絵
直線の地上絵は、長さが10キロ以上にも及ぶものから、10メートル以下のものまでさまざまです。これらの地上絵は、地表の暗褐色の小石を線状に除去して、白い地面を露出させることで作られました。小石を動かすだけで、長い直線を描くことができるのです。
幾何学的な地上絵
幾何学的な地上絵には、四角形や三角形、渦巻きなどの図形があります。これらの地上絵も、直線の地上絵と同じく、地表の小石を除去して白い地面を露出させることで作られました。しかし、幾何学的な地上絵は、直線の地上絵よりも複雑な形をしているので、小さいものは5メートル以下、大きいものは500メートル以上と、サイズに幅があります。
具象的な地上絵
具象的な地上絵は、人や動物、植物、道具などを描いたものです。これらの地上絵は、線タイプと面タイプの二つに分けられます。線タイプの地上絵は、地表の小石を線状に除去して白い線で絵を描いたものです。面タイプの地上絵は、地表の小石を面状に除去して白い面を作ったり、除去した小石を積み上げて黒い面を作ったりして、凹凸のある絵を描いたものです。線タイプの地上絵は、平均で90メートルほどの大きさですが、面タイプの地上絵は、9メートルほどの小ささです。面タイプの地上絵は、小石を多く動かす必要があるので、大きな絵を描くのには不向きなのです。また、線タイプの地上絵は、平地にしか描かれていませんが、面タイプの地上絵は、山や傾斜地にも描かれています。
以上が、ナスカの地上絵の制作方法についての説明です。この記事は、青山和夫編『古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(12月14日発売)から抜粋・編集したものです。この本には、ナスカの地上絵の意味や機能についても詳しく書かれています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。それでは、また次回のブログでお会いしましょう。