アメリカの市長であり、ドナルド・トランプ前大統領の顧問弁護士を務めたルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長（79）が、21日に同市の裁判所に破産を申請しました。
ジュリアーニ氏は名誉毀損で訴えられ、15日になんと約210億円に相当する1億4800万ドルの支払いを命じられた経緯があります。
ジュリアーニ氏は2020年の大統領選で、ジョージア州の選挙管理職員が不正を行ったと主張し、その証拠として動画を拡散しました。しかし、その動画は保守系ウェブサイトに掲載されたもので、実際には選挙職員が正常な集計作業を行っている様子を映したものでした。
動画に映っていた選挙職員の女性2人は、ジュリアーニ氏の発言によって名誉を傷つけられ、生活にも影響を受けたとして名誉毀損で訴えを起こしました。ワシントンの連邦地裁は8月に名誉毀損を認定し、15日に陪審はジュリアーニ氏に賠償金の支払いを命じました。
ジュリアーニ氏は裁判所前で記者団に対し、「なにひとつまったく後悔していない」と話し、控訴する意向を示しました。ジュリアーニ氏は他にも、セクハラや税金滞納などで訴えられており、法的な苦境に立たされています。
ジュリアーニ氏は2001年の9.11テロ事件の際にニューヨーク市長として市民を勇気づけ、その姿勢から「アメリカの市長」と呼ばれました。しかし、トランプ氏の忠実な支持者となり、大統領選の結果を覆そうとしたことで、その評価は大きく変わりました。
