未体験ゾーン2024:トランプ再選の影響と岸田首相の対応
山田重夫駐米大使が、ホワイトハウスでの信任状提出の機会を得られずにいる理由は、現在の国際情勢に追われるジョー・バイデン大統領との面会が難しいためだ。一方で、トランプ前大統領の再選機運が高まりつつあり、その可能性に対する外国メディアの危機感も増している。
着任後、山田氏は公式な政府関係者との接触が難しい中、対米議会アプローチに注力している。米上院民主党のシューマー院内総務や、共和党のジョンソン下院議長らとの会談を通じ、日本の立場をアピールしている。
外国メディアの中には、再びトランプ大統領が誕生することに対する危機感を示すものもあり、その影響について懸念を表明している。英紙フィナンシャル・タイムズは、トランプ氏の再選が経済にどのような影響を及ぼすかに焦点を当て、株価の下落などを懸念している。
一方で、バイデン政権で国家安全保障担当大統領副補佐官だったダリープ・シン氏は、「大いなる安定」時代の終焉を指摘し、大国間競争や政治的二極化、エネルギー政策の変化などにより市場のリスクが高まる可能性を指摘している。
2024年の未体験ゾーンにおける「前例のない政治的二極化」が最大の不安材料とされ、その中でトランプ氏の再選が大きな影響を与える可能性が取りざたされている。
一方で、岸田文雄首相の将来も不透明であり、トランプ氏が再登板する可能性を考慮し、トランプとの人脈再構築に注力すべきだとの声も挙がっている。さらに、自民党の麻生太郎副総裁がトランプ氏との会談の可能性を模索しており、これが実現すれば国際的な先例となる可能性がある。
未来が見通せない2024年に向けて、日本は慎重な対応と戦略的な準備を進める必要がありそうだ。