バンクシー新作「STOPドローン」、わずか1時間で窃盗被害
正体不明の路上芸術家、バンクシーがロンドン市内に設置した新作が22日昼に明らかにされ、驚くべきことにわずか約1時間後に盗まれてしまった。2人組の男が盗む様子を目撃者が撮影し、その動画がSNSで拡散されている。バンクシーは新しい作品をつくると、自身のInstagramアカウントで1200万人以上のフォロワーに伝えることで知られている。22日正午ごろには写真3枚を投稿し、新作を公開したのはなんと9カ月ぶりだった。
新作は、赤地に白で「STOP」と書かれた標識の表面に、軍用ドローン（無人機）のようなものが大中小の三つのサイズで貼り付けられていた。「STOP」の標識自体は以前から存在していた。
作品はロンドン市内の交差点の柱に金具で固定されており、場所は写真からすぐに特定された。午後1時になると、1人の男が柱に寄せた自転車を支え、その上に乗った別の男が工具を使って作品を盗む様子が動画で記録されていた。
バンクシーはこれまでにパレスチナ自治区ガザ地区で多くの壁画を残したり、ヨルダン川西岸地区で窓から「分離壁」の見える「世界一眺めの悪いホテル」をプロデュースしたりと、イスラエル・パレスチナ問題に強い関心を寄せてきた。彼の作品には「反戦」のメッセージ性が多く込められており、今回の新作もイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突に対して「停戦」を訴える意味合いがある可能性が考えられる。
盗まれた新作には、バンクシーらしい社会的・政治的なコメントが込められていたことが窺える。これにより、彼の作品が一過性の芸術だけでなく、社会問題に対する切り札としての位置づけも浮き彫りにされている。
（※記事は元の文章を基にしており、内容や文字数は変更している）
