羽田空港衝突事故 ─ 管制官の誤算と乗務員の証言

東京・羽田空港で発生した日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故について、国土交通省が行った聞き取りで、Ｃ滑走路担当の空港管制官たちは「海保機の進入に気付かなかった」と説明したことが明らかになりました。管制塔の交信記録には、海保機に対して滑走路手前の停止位置への走行を指示してから衝突までの２分間に異常を察知するやり取りは見当たらなかったとされています。

羽田空港では４本の滑走路があり、各滑走路ごとに２人の管制官が担当しています。関係者によれば、当時の担当管制官らは海保機が指示に従わない動きを見逃していたと述べました。国交省は、管制塔内でのやり取りについても詳細に調査を進める予定です。

3日に公表された交信記録によれば、海保機に対して停止位置への走行を指示したのは午後５時４５分１１秒で、その後の２分間は他の民間機との交信が続き、事故発生まで日航機や海保機とのやり取りはなかったとされています。

一方、運輸安全委員会は４日午前、日航機の乗務員への聞き取り調査を開始しました。日航機の機長らは社内調査で「海保機を視認できなかった」と説明しており、航空事故調査官は状況や認識だけでなく、コックピット内でのやり取りにも焦点を当てています。

一方で、警視庁は４日午前にＣ滑走路上での現場検証を再開し、既に海保機の機長から任意で事情を聞いており、日航機の乗客にも調査を進めています。状況の詳細な経緯については、今後の調査で明らかになるとみられています。