食後の血糖値の上昇が健康に悪いとの一般的な概念を覆す新たな研究結果が発表されました。通常、食後にはインスリンが分泌され、血糖値を一定に保つ働きがありますが、これが過剰になると肥満を招くとされています。しかし、カナダの研究者チームが行った研究によれば、食後のインスリン上昇が糖尿病リスクを低減する可能性があるとの指摘がされています。
研究では、妊婦306人を対象に、食後の血中インスリン濃度とその反応を補正する指標「補正インスリン反応(CIR)」を調査しました。その結果、CIRが高いグループでは、ウエストサイズやHDL(善玉コレステロール)値、炎症マーカーなどが改善し、糖尿病予防に関連するβ細胞の機能が高まっていました。CIRが高いグループは将来的な糖尿病リスクが低いことも示されました。
これにより、インスリンの働きが複雑であり、単純に食後の上昇が悪影響を及ぼすわけではない可能性が示唆されました。これまでの糖尿病リスクとの関連研究が単純な結論を導いていた可能性も指摘され、今後の研究でさらなる理解が期待されています。