JPモルガンの最新の報告書によれば、グレイスケール・ビットコイン・トラスト（GBTC）から約15億ドルが流出した可能性が浮上しています。これにより、ビットコインETF市場に下落圧力がかかり、さらなる流出が懸念されています。
アナリストのニコラス・パニギスツォグロウ氏によれば、GBTCの投資家は過去1年間、大きなディスカウントで基準価額からGBTCを購入し、将来のETF転換に備えていました。しかし、現在はGBTCからの完全な撤退を選択し、他のスポットビットコインETFに移るのではなく、利益確定を図っていると指摘しています。
JPモルガンは以前に、2023年中に最大で30億ドルがGBTCに投資されると推定しており、既に15億ドルが流出したことを考慮すると、今後15億ドルが撤退する可能性があります。これにより、ビットコイン市場には数週間にわたり追加の下落圧力がかかるでしょう。
報告書は、これらの資金流出がGBTCの手数料引き下げを促す可能性があると指摘しています。GBTCの手数料1.5%は他のスポットビットコインETFよりも高いため、これが流動性の優位性を失うと、50億ドルから100億ドルの資金流出が発生する可能性があると警告しています。なお、現時点ではGBTCは他のETFの中で最も手数料が高いETFであり、他のETFには初めの6カ月間や一定の運用資産額に達するまで手数料がゼロのものもあると報告されています。
JPモルガンによると、GBTCを除いた他のスポット型ビットコインETFはわずか4日間で30億ドルの資金を集め、これは過去のビットコイン商品ローンチ時の資金流入に匹敵するとのことです。流入した資金の大半は、既存のビットコイン投資商品からの移動だと報告されています。
