日経平均続落で3万3000円割れ、米長期金利の低下一服-半導体大幅安
5日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は終値で3週間ぶりに節目の3万3000円を割り込んだ。米国長期金利の低下が一服したことやエヌビディアなど米ハイテク株の下落を嫌気し、東京エレクトロンやアドバンテスト、ディスコ、ルネサスエレクトロニクスなど半導体関連銘柄が大きく下げた。TOPIXの終値は前日比0.8%安の2342.69と続落
日経平均株価は1.4%安の3万2775円82銭
3営業日続落の日経平均は一時下げ幅が500円を超え、11月14日以来の安値。
4日の米国債市場で10年債利回りが大きく上昇したことで投資家心理が悪化し、日本株は朝方から調整色が強まった。週末には株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出を控え、先物の影響も受けやすかった。
TOPIX採用の2157銘柄のうち、上昇は364、下落は1734。売買代金上位では半導体関連のほか、ファーストリテイリングやリクルートホールディングスも安い。半面、さくらインターネットやファナック、資生堂は高い。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
・金利低下が一服しハイテク株が売られたが、商いが薄く、反応が極端だ。東京都区部の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、円安とエネルギー高による物価高は後退したが、内需が弱いことを示唆している。
・日本銀行の政策変更は遠のき、米金利動向と為替に連動する売り買いが続きそうだ。
・来週の米CPIが予想を下回れば、年末にかけてラリーが期待できるが、それまでは日柄調整が続く。
野村アセットマネジメントの石黒英之シニア・ストラテジスト
・半導体株は金利低下に伴う買いを集めていた側面があっただけに、全般的にハイテク銘柄は弱含み。
・岸田政権の支持率が低い中で政治資金パーティーを巡る問題が浮上し、政治の先行き不透明感も引き続き嫌気される。
インサイト
・東証33業種中25業種が下落、下落率トップは精密機器、上昇率トップは陸運
・MSCIアジア太平洋指数は1%安
・年初来ではTOPIXが24%上昇、MSCIアジア太平洋指数は2.6%上昇
・TOPIXの12カ月先予想PERは14.4倍
背景
米利下げ期待は「行き過ぎ」、対抗するオプション選好-ゴールドマン
水面下で高まるリスク志向、米株の物色先はハイテクから小型銘柄に
午後3時時点のドル・円相場は1ドル=147円付近、前日の日本株終値時点は146円81銭